徒然日記

今も元気でいますか?あの日、とても綺麗でした。

ぼくは未婚、無職、現在、彼女ナシのおっさんです。こうやって文字にすると強烈なダメ人間感、社会不適合者感が出るな・・・。                               うーん・・・まぁでもそんな状態を甘受しつつ、日々ノーテンキに生きているので小さなシアーセを感じることが出来ています。                        大抵のことは海を見に行けば、波が洗い流してくれるので、今住んでいる場所に感謝しないといけませんね。

こんな感じで海から元気を貰いつつ、そこそこマジメに生きてきたつもりなのですが、たまに疲れると癒しが欲しいなぁと思うような時もあります。そんな時はインスタとかYouTubeでひたすら美人ちゃんを見て癒されています。

美人ちゃんはホントに癒しですね。

今更ですが、昔職場にいた還暦オバさまが、熱狂的なジャニオタだった気持ちが分かるようになりました・・・。                               ともかく先日もインスタを見て美人ちゃんを探していたんですが、ある女性のページに目が止まりました。名前を見ても知らないし、そもそも24−5歳にしか見えないし、こんな子知り合いにいたっけな・・・・でもこの顔には見覚えがあるのです。

「誰だっけな・・・」アタマの中を反芻します。PCで見る、loading・・・loading・・・みたいな状態です。

その時に懐かしい顔が思い浮かびました。「そっか、H子だ!」

H子は、小学生だった頃の同級生です。インスタのページで見た女性は、ぼくの記憶にあったH子にとても似ていたのです。                             

そしてH子との ”あの” 思い出を、30年ぶりくらいに思い出すことになりました・・・。

当時、ぼくは小学四年生でした。学級委員長をやるような活発で陽キャなガキンチョで、お笑い担当のようなポジションをクラスでは受け持っていました。H子はあまり口数が多くなく、妙に大人びたところもあったので、クラスの女子たちとは少し距離がありました。                                                 

席替えは自分たちで決めたい、と学級委員長として担任に直訴した際、「それは先生が決めることだ」とあっさり断れました。そしてH子がぼくの隣に来たのです。今思うと担任の先生は、クラスで一番うるさいぼくの隣にH子を置いて、彼女のコミュニケーションが少しでも円滑になるように、期待したのかもしれません。

ある休み時間、友達とワイワイ騒いで次の授業を待っていたら、「ブッ!」という大きな音がしました。

数秒のちに誰かが『うわ、くせぇよ、おい誰か屁をコイただろ!」と叫びだします。こういう時、ガキンチョはなぜかみんな悪ノリします。『くせぇよ、誰が屁ぇコイたんだよ、屁を  コイたやつ、名乗り出ろ!!」「オマエか、オマエだろ!!」犯人探しが続きます。

ぼくはふと隣のH子の顔を見ました。H子は顔を真っ赤にして下を向いていました。少しだけ震えていたのを覚えています。                       

それで全てを悟ったぼくは「いやーごめんごめん、やっちまったわ。でもそんなにくさくないだろ、オマエらくさいくさい、言い過ぎ!」                     「くせぇよ、バカ、教室で屁なんかコクなよ、まず、すみませんだろ!」         「はいはい、どーもすいませんでした」おちゃらけて言い、失笑を誘います。そうこうしてるうちに先生が教室に来て、授業が始まり、屁の話はそこで終わりとなりました。

ぼくはもちろん、誰にもこのことは話さずその日はいつも通り友達と一緒に帰宅しました。

その次の日からH子が初めてぼくに話しかけてきました。               「あのさ、消しゴム貸してくれない・・・」「おぉ、いいよ、はい」

会話が途切れます。その後、時折H子がぼくの方を見て何かを言いたげだったのは、感じていました。でも、それはきっと ”あの” ことだろうし、今更そのことを話すのも面倒だったので、ぼくはあえてH子を無視するようにしました。

それからH子は毎日、ぼくに話しかけるようになりました。いつしか冗談を言い合えるようになり、気がつけばH子はクラスの女子たちとも仲良くなっていました。結局ぼくは ”あの” 話をH子とすることはなく、そのまま年が過ぎ、小学校を卒業しました。

H子とはその後、同じ中学に通うことになったのですが、クラスが3年間一度も同じになることはなく、廊下で会ったら挨拶するだけの関係でした。ぼくは部活中心の生活だったので、H子や彼女の友達とも全くかぶることなかったのです。                 そして中学も卒業となり、ぼくはH子とは違う高校にいくことになりました。

それからまたも月日は流れ、ぼくは大学生になりました。ぼくは地方の大学に進学したので、だんだんと地元の友達と疎遠になることが寂しかったのを覚えています。                   だからこそ、成人式には参加することを決めました。仲の良かった男友達と久々に連絡を取り合ってみました。式のあと盛大に飲むことも決まり、それも大きな楽しみでした。                          式当日、会場にはたくさんの懐かしい顔が見えます。小中学生だった頃の友達と数年ぶりに会い、近況を報告し合えて、とても楽しい時間を過ごせました。                          式には、H子もいました。会うのは中学卒業以来なので、約5年ぶりです。振袖姿のH子は、とてもかわいくなっていました。正直もっとH子と話をしたかったのですが、ヤロウ同士の輪からぼくは抜け出せず、あまりH子と話す事は出来ませんでした。

式も終わり、友達と会場を出た時に、出口にH子が立っていました。ぼくはH子に挨拶しようと彼女に向かって行きましたが、彼女もこちらに向かって歩いてきます。       「おいH子」声をかけたのに、目線があいません。あれ聞こえなかったのかな?と思った瞬間、H子はぼくの上着のポケットに素早く手を突っ込んで、一瞥もくれることなく、スタスタ歩いて行ってしまいました。うわ、なんだ、コイツ・・・と思い、「おい、H子」と再度声をかけます。なのに無視です。変な感情を抱きつつ、H子が手をつっこんできたポケットを確認してみたら、紙切れが入ってる感触がありました。   

そんなぼくを見ていた男友達からは、なんだH子をナンパしたのにフラれたのか、ダセェなおい、とからかわれました。紙切れの存在があったのでぼくは何も言わず、笑ってごまかすしかありませんでした。                                                        その後、やっぱり気になっていたので、トイレでこっそり紙を広げてみたのですが、「電話して H子」とあり、電話番号が書いてありました。                           それから男友達と飲んだ後、遅い時間帯に自宅に戻ったのです。

正直、すぐにでもH子に電話したかったのですが、当時は携帯電話などありませんでした。

中高生の時は皆実家住みでしたので、彼女と連絡を取るには、固定電話しかありません。当時はぼくにも彼女がいたので、いつもイチかバチかな気分で彼女の家へ電話をかけてました。運が悪いとあちらの父親が出てしまい、ちょっと気まずい空気になります。      ぼくは大学ですでに気楽な一人暮らしを満喫中です。やっと成人にもなりましたし、もうあんな思いはしたくありません。今でこそ笑い話ですが、昔のオヤジは本当に怖かったのです。                                       H子が一人暮らしをしているのか、その時点で分からなかったのでここは安全策をとることにしました。

そんなわけで翌日の朝早く、彼女に電話してみました。彼女はすでに働いており、実家を出ている、とのことでした。なんだ、じゃあ昨日のうちに電話できたんじゃん、みたいなことで笑いあい、その日の昼食を一緒にとる約束をしました。

彼女は先に着いていました。ちゃんと化粧もしており、すごく大人に見えました。年齢が同じでも社会人と学生では、どこか雰囲気が違うのも当然です。自分がガキのように思えて、ちょっと複雑な気分になります。それにしても綺麗になったな・・・。

それからいろいろな話をしました。なんだか懐かしく、とにかくたくさん笑いました。

H子が唐突に「あのね、 ”あの” こと覚えてる・・・?」と話します。ぼくは一瞬、思い出せませんでしたがすぐに頭に浮かびました。

「あっ ”あの” 話ね、覚えてるよ」                       「わたしがオナラをしたのは、知ってたでしょ?なんでかばってくれたの・・・・」

それからちょっとだけ ”あの” 話をしました。今となっては笑える話です。ちょっとシリアスな話も加わりましたが、最後はやっぱり笑いあいました。

あっという間に楽しい時間は過ぎ、とりあえず店を出ることにしました。

H子が「今夜は何をしているの?」と聞いてきます。ぼくはその日の夜、バスに乗って大学のある場所へ帰る予定だったので、そう伝えました。

「そっか・・・分かった。なんか忙しそうな気がしたから、手紙書いてきたの。これ読んで」と彼女に渡されました。

後ろ髪を引かれる思いでしたが、ぼくたちは「また会おう」と言い合い、手を振り合って笑顔で別れました。

その日の夜、ぼくはバスの中でH子がくれた手紙を読みました。

とても丁寧な字で、いろんな想いが綴られておりました。

その手紙の内容をここに書くのはやめておきますが、ぼくには勿体無いくらいの言葉がそこには綴られておりました。バスの中で泣きそうになったことを今でも覚えています。別れ際くらい冗談ぽくでも抱きしめれば良かったな・・・そんなことを今になって思いかえしました。

あれから正確に書くと34年経ちました。最後に会って手紙をもらってから、結局1度もH子と連絡を取らずじまいで、今日に至ります。ぼくも一度は電話か手紙を書こうとは思いました。でもぼくなりにそう出来ない理由がありました。若かったのだと思います。Facebookや友達を伝っていけば、今のH子とまた繋がれるかも知れません。でもなんとなくそういうことはしない方がよい気がします。                    もうお互い年齢が年齢なので、H子が生きているかすら今は分かりません。ただそうであって欲しいな、と思いますし、幸せな人生を送ってこれたことを願うばかりです。                             

久々にこんなことを思い出させてくれたので、H子に似たインスタの女性には、いいねだけ押しておきました。

ぼくは、縁がある人とはどんなに月日が開いたとしても、また必ず出会えると思っています。H子とぼくに縁があれば、きっとそうなるので、その時にはお互いこの30年、40年をどう生きてきたのか、話をしてみたいです。

きっとあの日別れた翌日のような感じで話ができると思います。

今日はH子のために祈りたいと思います。

最後にちょっとだけ、また脱線してしまいますが、手紙ってなんだかとても良いものだな、と書いてて思いました。また昔は携帯がなかったので、駅や喫茶店には伝言板があり、そういうもので友達や彼女とやりとりしたこともありました・・・。不便でしたけど、今考えるととても懐かしく、良い思い出になっています。

あ、懐古主義は嫌われますね!では閉めます!

長々ありがとうございました。

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