徒然日記

やっちまったな・・・

木村フィリップミノル選手が大麻取締法違反容疑で逮捕されたらしい・・・。

土曜日にYA-MAN選手とFIGHT CLUB2で試合があるはずなのに・・・。

現段階で、警視庁は木村選手の大麻使用の認否を公開していませんが、おそらくは真っクロでしょう。

この件で多くの格闘家や、対戦相手だったYA-MANもXやYouTube等でコメントを発表しています。

YA-MAN選手は淡々としておりましたが、今回の件での損害の大きさやFIGHT CLUBに出場予定選手のことを考えたコメントなどが印象的でした。

木村選手のやらかしは、今回で3度目です。

一つはKNOCK OUTという試合での体重超過が2023年にありました。

二つ目は、同じ年にRIZINで禁止薬物クレンブテロール検出によるドーピング検査違反、です。

そして三つ目が今回の大麻所持、ということになります。

もちろん、大麻所持と体重超過は本来なら同列で考えるべき問題ではないかもしれません。

ただ、プロとして格闘家としての違反を「やらかし」という観点で見た場合、問題として付け加えても良いと考えます。

木村選手、格闘家としてスリーアウトです。

前回、個人のブログにも書きましたが、仏の顔も3度までという言葉もあるように社会が失敗を許す回数には限りがある、と思います。

なので木村選手が今後、格闘技界で活躍をする可能性はほぼ無くなってしまったのかもしれません。セカンドチャンスはすでに与えられた状態だったからです。

個人的にとても残念なのは、プロの格闘家がそのスポーツに対する敬意を持っていなかった、という点です。

敬意がないから、愛情もなかったと思います。

そういう選手がそのスポーツを「盛り上げる」ことなど出来ません。

仮に格闘技をビジネスとしての面しか見ておらず、割り切った考えを持っていたとします。でもビジネスであるのなら、ファンやプロモーターに利益があるように最低限の仕事はしようと心がけるものです。彼はそれをする義務を放棄したのです。要は、木村選手はプロフェッショナルですらなかった、と言えると思います。

僕は元陸上競技選手なのでそこから例を見てみます。

ドーピング違反者に関しては、最大で4年、通常2年の競技出場のペナルティが与えられます。

特に100m走は違反者が多く、オリンピアンの違反例も多く見られました。

古くはベンジョンソン、マリオンジョーンズ、リンフォードクリスティ、タイソンゲイなどの金メダリストがドーピング違反者に名を連ねました。

彼らのほとんどが2年間の出場停止を言い渡されており、復帰後のパフォーマンスはドーピング摂取期間を上回った選手はおりません。

また今オリンピックと前世界選手権で活躍した、シャカリリチャードソンは大麻の陽性反応により、世界アンチドーピング機構の規制でオリンピックのアメリカ代表を剥奪され、出場停止に追い込まれました。大麻は競技力の向上には一切寄与する物質ではないものの、違反物資とされているのです(出場停止期間はステロイド使用よりも短くはなっています。リチャード選手の場合、1ヶ月間でした)。ちなみにドーピング違反は2回目になりますと永久追放されます。

競技者にとって4年間とは、普通の人の人生の20年間に相当する、と言われています。4年間でジュニアの選手がシニアの世界チャンピオンになった事例はいくらでもあります。なので4年、2年の出場停止処分は厳しいという世間の声があるのは事実です。 ただほとんど多くのアスリート、元アスリートはこの処分を厳しいと思っていません。むしろ当然のこととして受け止めています。個人的な意見ではありますが、それはルール遵守などを含めてそのスポーツに対する敬意があり、それを守ってきたからなのです。                    よってドーピング違反とはスポーツ選手にとって最も許されざる行為の一つなのだと思います。

今回の件で一つだけ良い方向に進むのではないか、と考えられるのは今後の日本格闘技界のあり方です。また他のスポーツ団体も世間の声によっては変わらざるを得ない状況になるかもしれません。

特に違法薬物や禁止薬物に対する内務規定が厳しくなると予想されます。すでにUFCでは、オリンピック選手並みのドーピングコントロールが行われているようです。

朝倉海選手が、少し前にUFCと契約しましたが、タイでの遠征合宿期間中3度もドーピングテストをやり直したと自身のYouTubeで公表しています。日本の格闘技界はここまで執拗に、毅然とコントロールされてきたのでしょうか?                   RIZINのプロモーターであるS氏と現役格闘家2名(A選手とH選手)がお酒を飲みながらドーピングについて語る動画を見ましたが、あまりの認識の低さにビックリした記憶があります。                                       現在、日本のMMA格闘家/キックボクサーのドーピングテストは日本アンチドーピング機構(以下、JADA)では受け付けてもらえず、検体を全てアメリカに送っているそうです。

JADAはオリンピック種目対象選手にのみ、テストを受け付けているようですが、それを改善するような働きをしているのでしょうか?ロビー活動のようなものをすれば、受け入れてくれる可能性は高まりますし、まずはそうすべきではないでしょうか?

そういう点から整備を始めなければ、MMAの最高峰であるUFCで日本人がチャンピオンを取るのはまだまだ先になるように思えてなりません。

MMAが日本に浸透する前はプロレスが格闘技を伝える団体でありました。        プロレスは、今でもドーピングしている選手が活躍出来る舞台です。            またボディビルも同様に今でもドーピングをしている選手が、活躍をしています。      それらの種目は、今でもトレーニングを通じて格闘技界と関わり合いがあるため、それがドーピング問題を完全に切り離せない理由の一つになってきたのかもしれません。

これだけ社会全般がコンプライアンス遵守、ルールを整備していく中でそれら業界のユルさは少し異質に思えてきます。                            それらの団体はある意味でエンタメ業界とも言えるので、競技として成り立たせるのが難しい側面もあるのでしょう。そもそも競技ではないから、世間の常識とは乖離している、とも言えるかもしれません。                              何れにしても興行主やプロデューサーが、過去にも問題ある選手に対し、甘いとされてきたのは温情だけではなくそれなりの理由があったのは明白です。             

格闘技の話でしたが、先のオリンピックを見てもスポーツ団体の公平、公正性、透明性にこれほど疑問が抱かれてきた時代はないと思います。スポーツが「カネ」のなる木であり                 そこに「政治とカネ」が絡んでいる以上、そのスポーツや選手を含めた問題が解決するのは、とても難しいのだろうなと想像します。

ただ、1スポーツファンとして願うのは、そのスポーツに対してあらゆる団体、選手は冒涜するような行為をしないで欲しいと言う点です。                      スポーツに対する敬意、相手に対する敬意、ファンに対する敬意みたいなものだけは守って欲しいところです。

それが見られないスポーツに、価値はあるのでしょうか?

ちょっと話が壮大になってしまいましたが、やはりスポーツマンシップとはなんぞや、ということを選手や団体がそれぞれ自問自答することが今求められている気がします。    スポーツ界の進化はあらゆる側面で一定水準を迎えており、ここからどのような発展を遂げるのか再考すべき段階に到達したのでしょう。

50年後、100年後をしっかり見据えて、日本のスポーツ界が盛り上がることを祈りたいと思います。

ありがとうございました。