徒然日記

おっさんとガキンチョの夏休み。

ひとつ前の投稿で、若さとはバOさである、と書きました。そしてたまにはOカになってみたい、みたいなことも書いたと記憶しています。

そんな僕が年イチの特大バOになりきるイベントが夏休みにあります。それは自分自身で定めた「Oカの日」で、とにかく1日かけてバOなことをやる、という趣旨です。        当初の案では、その日「飲まず食わずで25時間くらい寝る」「1日5食くらいラーメンだけを食べる」「朝から晩まで酒を飲んで1日を台無しにする」などを思いつきました。                    でもこれだとただ単にお馬鹿な人がやることで、僕が望んでいるバカではないと思いました。こんなの何も面白くない・・・。                         結局、再考を余儀なくされ「バOの日」に行うOカなことには、必ず挑戦が伴うこと、身体的・精神的にプレッシャーがかかること、が条件になりました。それと最後に達成した時に「バOバOし過ぎるだろ!」と吐き捨てることができるようなものに決めました。

何をしたかというのを羅列すると、現役時代の追い込みメニュー再現、富士登山、日本橋ー逗子間徒歩(約50km)、根府川ー逗子間徒歩(約50km)、逗子ー城ヶ島間往復(約50km)、逗子ー小田原間キックボード(約50km)、逗子湾ー江ノ島往復+逗子湾ー長者ヶ崎間往復SUP(約30km)などなどです。ネタ切れで翌年も同じことを重複したこともありますが、毎年続けてこれました。40過ぎくらいから始めてきましたが、どれもそこそこはキツいものなので、達成感はあります。また全て夏に行うので、炎天下がより一層のバOバOしさと無意味にも程があるだろ!感を強調してくれます。                             ちなみにこの中で一番キツかったのは現役時代の追い込みメニューの再現で、走り出して3本目くらいに「なんでオレはこんなこと、やってんだろ・・・」と思いました。      現役時代には程遠い最低のクオリティではありましたが、量だけは同じものをこなしました。達成後、めでたく「OカバOしい、二度とこんなことやるか!」となりました。   これこそが僕の求めていた「バOの日」にふさわしい挑戦でした。            蛇足ながらこの時は、しばらく脚もバOになっておりました。

そんな「バOの日」のことをある時、妹に話す機会がありました。妹は「うちの息子も連れてってくれない?」と言ってきます。僕の甥っ子です。甥に話すと「面白そう、やってみたい」ということだったので、その年は逗子ー小田原間をキックボードで走破する、になりました。当時小学4年生、10歳のガキンチョとほぼ50のおっさんの挑戦です。 

電車で小田原駅まで行き、いよいよスタートです。ガキンチョを先導します。      スピードを調整し、付かず離れずの距離を保ち、5秒に一度くらいは振り向いてガキンチョを確認しないといけません。かなりゆっくりなペースだと思いましたが10分後にガキンチョとの距離が開きがちになり、彼の軽口も完全に止まりました。一度休憩することにします。

ガキンチョは「ペースがちょっと早い・・・もうすでに体力の70%無くなった」と言います。これは想定外でした。ただ、このおかげでペースの修正や休憩の回数などの見直しが図れて、この表情になったらガキンチョは苦しいのだなというのが分かりました。とにかく定期的にポジティヴな声をかけ続け、こまめに休憩と水分、塩分を取っていくよう心がけます。                                       その後昼食をとり、ガキンチョの元気も戻ってきました。開始10分で70%失った体力が、3時間後には50%まで回復したんだそうです。気がつけばお互いずいぶん日焼けをしていました。                                      やがて江ノ島が遠くに見えてきます。ゆっくりですが少しずつ、少しずつ島へと近づいていき、彼の軽口も復活しました。                           ついには江ノ島を追い越し、稲村ヶ崎を過ぎ、鎌倉の海が遠くに見えてきます。      江ノ電を横目に見ながら、ついには逗子市の看板を超えることができました。

そしてゴール!

ゴール直後のガキンチョ、とても良い顔をしていました。               心なしか表情も大人びて見えます。家の前に近所の大人たちがたまたま数名いたのでキックボードの話題になりました。

「え、小田原から帰ってきたの?すごくない!!」

「何時間かかったの?えー信じられない!よく頑張ったね!!」

「小学生で出来るなんてもう立派!」

そんな称賛の嵐でした。                                僕の「来年またやってみる?」という問いかけには即答で「いや、もういい」にはちょっと笑いました。

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Leggings Lab.

ガキンチョはこの日、小さな成功体験を手に入れました。これが小さな自信に繋がってくれたらな、と叔父さんは祈るばかりです。いずれにしてもこういう経験はガキンチョをオトナにするのだと、となんとなく思いました。

まぁちょっと長くなりましたが、そんなガキンチョとの夏が僕にはありました。            ちなみに翌年、甥とまた同じことをしました。初回よりもいろんな面でスムースでしたが、キツイことには変わりはないので、ゴール後はやっぱしグッタリしていました。     叔父さんとしては1年間の成長が随所に感じられ、そんな姿を見れたのも嬉しかったです。

何度かキックボードツーリングをやったので、これはもうバOなことではなくなりました。僕にとってはフツーになってしまったからです。今度同じキックボードでバOなことにしようと思ったら、爆速で漕ぐとか、コースを変えて峠超えなんかを考えないといけません。 もうキックボードでは、そこまではしなくていいかな・・・                               ただ若くて美人ちゃんから同伴を頼まれたら、マッハで翻意してしまいそうですが。 

あ、ガキンチョよ、勝手に書いてしまってゴメンな。またいつか叔父さんと遊んでくれよな。愛してるぜ。

来年の夏は何をしようかな・・・

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