徒然日記

海のある生活。移住を考える人に思うこと。

僕は海のある場所に住んでいます。鎌倉市の隣、逗子というところです。

海のある生活は本当に素晴らしいものです。その素晴らしさを箇条書きで記せ、といわれたらホントにいくつも書けそうな気がします。そんなことをいつも誰かに話してるので、友人知人から海のそばに住むってどうなの?という質問もよく受けます。あとは移住に関してのアドバイスを求められたことも、一度や二度ではありません。

移住希望者の方は、ネット上にそれに関する記事がたくさんあるのでそれを参考にするのも良いと思います。移住のメリット・デメリットや結局どうなのよ、といったことまで詳しく書かれているのでそれを情報として捉えるのも大切かもしれません。

僕も今住んでいるところが地元ではなく、移住者です。元々は縁もゆかりもない土地でしたが自身が移住者である、という言葉にもはや違和感を覚えるほどこの場所に定着しきっています。

移住した理由は、もうシンプルに海が好きでしたし、ここに住みたいと思ったからです。 それと少しだけ加えたいストーリーを書くと、僕が小学生の頃、当時の担任が夏休みに海に連れてきてくれました。それが逗子海岸でした。                     当時、教室にあった使われていない水槽に海水魚や海の生物を飼育することになり、生徒数名が海の生物を採取するためにここへ来たのです。

それまで家族で海水浴に来たことももちろんありました。ただ担任に連れ来てもらった、この海に僕は妙な胸騒ぎを覚えました。ドキドキ感が止まらないのです。

「あ、この土地にオレ、住むことになるな・・・」となぜか思えたのです。どうしてそんな風に思えたのか、未だにわかりません。ただそれから10数年後、僕はその土地の住民となりました。

少しだけキレイに書くとするならば、「運命」というヤツかもしれません。

ただ後々になって思うのは、結局僕はこの土地と縁があったのだ、という点です。    それ以上でもそれ以下でもない、というのが率直な感想です。自身の経験はないのですが、初めて見た相手に「ビビビ」と感じ、結婚に至ったという話をよく聞きます。多分、それと同じ感覚なんだと思います。後付けの理由をごちゃごちゃ言うよりも、そちらの方が的を射ている気がします。

だから僕が友人知人から海のそばへの移住に関するアドバイスを求められた時にかける言葉は「いいね、住めばいいじゃん!いつから住み始めるの?」になってしまいます。大抵は「いや住みたいんですけど今は仕事が・・・」とか「職場が遠くなるので、すぐには・・・」みたいな言葉が返ってきます。それを解決して欲しいが為に、移住者に質問をしているのかも知れませんが、こう来られると建設的な会話には正直なりません。住みたい理由以上に住めない理由の方がその時点で強いからです。冷たいようですが、それは質問者が考えるべきことで回答者に出来るアドヴァイスは何もないのです。

でもそれだと元も子もないので、本気で海のそばへ移住したいと考えてる方は、とりあえず短期間だけでも住んでみることを僕はオススメしたいです。鎌倉や葉山、江ノ島近辺にも1−2週間泊まれてリーズナブルな宿泊施設はたくさんあります。またレオパレス型の宿泊施設も探せばありますので、今の自宅をキープしたまま数ヶ月トライアル期間を設けても良いでしょう。                                    もしすぐに住めないのであれば、休みの日にでも足繁く住みたい場所へ通ってみてはいかがでしょう、と思うのです。

それでも「いやー仕事もあるし、休みも少ないので・・・」や「忙しいのでなかなか・・・そうしたいんですけど・・・」と口に出る方は恐らくですけど、実は本気でそれを考えていない、望んでない可能性があります。

例えば極端な例ですが、東北の山奥に住んでいて、湘南という特定地域に移住したい人がいるとします。新幹線と在来線を乗り継がないと湘南には行けないし、頻繁に通うにはお金も時間もかかります。そんな人はどうすればいい?ともし僕が問われたら。

そんな方に対しても僕は多分こう言います。「新幹線と在来線乗って湘南に行けばいいじゃん!」

なんとも無責任なコメントのように思えますが、結局はその方の人生なのです。本気でそう思うのか、なんとなくそう思うのかでは決断や行動に差が出ます。それは似て非なるものなのです。まずはそこを自覚すること、自分の本当の気持ちを知ることがスタートになるかと思います。なんとなくな気持ちなら、少しそれを寝かしてみるのも良いでしょう。本気ならそれを最短距離で実現する方法を探るようになるはずです。              そして縁があれば、物事は望む方向に転がっていくと思います。            別に海のそばに住まなくても、海は逃げないのでいつでも会いに行けます。それが月一とか年一の訪問でも実は充分満足出来るものかもしれません。

蛇足ですが、僕は海のそばに住むデメリットみたいなことは感じたことがありません。正直メリットしか感じないです。例えば通勤時間が長くなったりするのはデメリットじゃないの?と思われる方がいるかもしれませんが、始業までに電車の中で寝る時間が増えて良かったですし、通勤中に本をたくさん読むことができてむしろメリットでした。同じように塩害や134号線の渋滞はどうなの?と聞かれることもありますが、解決策みたいなものは必ずあるのです。個人的には無理やり、細かいデメリットをいくら挙げ連ねてみても、目の前に海があるという、たった一つのメリットの前では全て大したことないな、と思えてしまいます。

そんな風に思えるからこそ僕は今住んでいる場所に「縁」があったのだと感じています。

ちなみに僕は都内に住んでいたこともあります。港区だったのでどこへ行くのにも便利でしたし、欲しいものはいつでも、とても簡単に手に入りました。ついでに書くと海外にも数年間住んでおりました。それこそ移住を考えるほど大好きな国でありました。

でも結局はそんな便利さや快適さよりも、逗子や葉山、鎌倉の海が勝りました。小4の時に感じた、何の根拠もないインスピレーションみたいなものが僕には正解だったのです。

仮に移住してみてこんなはずじゃなかった、失敗した!と思うかもしれません。でももしそうならば、やることはシンプルで、次行ってみよー引っ越しだぜー!で終わると思います。こういう話は何も移住に限ったことだけはなく、お付き合いした人がクズだったとか、期待して買ったものがゴミだった、とか色々あるはずです。経験しないとわからないこと、ってやっぱりありますし、もし人に何でもかんでも見える、先見の明のような能力があれば、離婚や破産や訴訟などはこの世には存在しないはずなのです。仮に失敗しても命まで取られることなんてほとんどない話なので、なるべく若いうちにいろんな経験をしておくと面白い人生になるのかな、と思います。

散々上記しましたが、海のある生活は、控えめに言ってもサイコーです!!

なんだかテーマから時々脱線してしまいましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。